結婚式は自分たちが主役になれる一度の晴れ舞台です。誰しもが成功させたいと思うでしょうが、ゲストの目線を考えていない結婚式は成功とは言えません。当然ですが結婚式はゲストありきで成立するからです。
ゲスト目線を無視した結婚式はその後の人間関係に悪影響を及ぼしかねません。
会社の上司や同僚に悪い印象を残してしまい、その後の業務に支障を来してしまいます。また、大切な友人との関係も崩れ疎遠になってしまうかもしれません。さらにはその後付き合いが深くなる両家両親とも、結婚式を境に気まずい関係が続く可能性もあります。
このような状況になってしまうことを防ぐためにも、ゲストに最大限配慮した結婚式を行いましょう。この記事ではよくある失敗5つと改善策をまとめてみました。
失敗する結婚式のパターンと改善方法
お色直しの時間が長すぎる
お色直しに時間をかけすぎることはゲストに対しての配慮が欠けているでしょう。なぜならゲストに間延びした印象を与え、手持ち無沙汰になる状態を作り出してしまうからです。披露宴の時間のほとんどをお色直しに費やしてしまっては、新郎新婦にお祝いの言葉をかけることも出来ません。ゲストが「何のために来ているのか分からない」と感じるのは当然です。時間を割いて来てくれているゲストに感謝の気持ちをきちんと伝えるためにも、長時間のお色直しは控えましょう。
改善策として、まずは披露宴中のお色直しは1回にとどめるのがベストです。一般的な結婚式の披露宴は2時間半と時間が限られています。ゲストは新郎新婦のファッションショーを見に来ているのではありません。どうしても着たい衣装は前撮りや後撮りで楽しみましょう。また、和装は着付けに時間がかかるのでお色直し後の衣装として選ばない方が賢明です。和装を希望する場合は1着目を和装、2着目をドレスにして時間短縮をはかりましょう。最後に、中座中はプロフィールムービーを流すなど、ゲストが手持ち無沙汰にならない演出を工夫することも有効です。新郎新婦の生い立ちや馴れ初めを詳しく知ることができる良いきっかけになります。
内輪ネタに時間を割く
一部の身内同士の話題で盛り上がることは、当事者以外のゲストにとって良い気分はしません。退屈なだけではなく、肩身が狭くなる思いを与えてしまいます。
友人スピーチで仲間うちが盛り上がる光景はほほえましく。楽しい気分になります。しかし、一部のゲストにしか分からないネタを長時間演出として組み込むことは、場をしらけさせてしまいます。一部のテーブルは盛り上がっているのに他のテーブルは気まずそうに苦笑いする光景は、新郎新婦自身は満足かもしれませんが、ゲスト全員が幸せな気持ちになれる結婚式とは程遠い印象です。「自分たちはいても意味がない」という疎外感を強く与えることになります。このように、内輪ネタに時間を割く結婚式はゲストに良い印象を与えません。
改善策は、新郎新婦が客観的な目線を持ち、全員が気持ちよく盛り上がれる演出を考える。この一点に尽きます。どうしても内輪ネタで盛り上がりたいのであれば、特定のゲストだけを呼ぶ2次会や飲み会を企画してみてはいかがでしょうか。
料理、ドリンクのボリュームが足りない おいしくない
料理がおいしくない、ドリンクのボリュームや種類が少ないことはゲストの評価を下げます。披露宴は食事をしている時間が大半を占めるため、料理の良し悪しがゲストの満足度を大きく左右します。他の演出がどんなに素晴らしくても料理の悪い印象がそれらを上回ってしまうでしょう。メイン料理のボリュームが極端に少ない、また豚肉や鶏肉が出てくる披露宴は、費用を抑えたことがゲストに手に取るように分かってしまいます。ドリンクメニューもメニュー表に明記されていることが多いので、種類が少ないと淋しい印象を与えてしまいます。料理、ドリンクのクオリティの低い披露宴は、ゲストへのおもてなしが伝わらない残念な場になってしまいます。
料理はゲストをおもてなしする大切な要素であることを強く意識することが大切です。ゲストの満足感に直結するので費用をおさえることは考えないようにしましょう。希望している会場の料理に対する口コミは必ずチェックし、式場を決定する前にはフルコースの試食会に参加することをおすすめします。式場決定後も「こんなはずではなかった」とならないように綿密な打ち合わせを行い、品数はもちろんボリューム感も写真で確認しておくことが大切です。
会場や控室が狭すぎる
会場や控室が出席人数と合っていない狭い空間はストレスを生みます。ゲストが落ち着かず、終始居心地が悪い印象を与えるからです。ゲスト同士の肘が当たってしまうほど狭いテーブル、ウェイターが通るたびに椅子を引かなければならない狭い導線は、ゲストに余計な気を遣わせる要因です。また、ウェイターに身体が当たり着ている衣服や飲み物に料理をこぼされてしまうリスクもあります。控室も同様で、椅子に座れないならまだしも立っていても圧迫感を与えるほどの狭さは、結婚式が始まる前からゲストに疲労感を与えます。人数が多すぎるがゆえにウェルカムドリンクも取りに行けません。このように会場や控室が狭い結婚式は、ゲストも疲れてしまいます。
改善策としては、式場決定前にゲストの最小人数、最大人数を事前に想定しておくことです。グループ数も把握しておきましょう。会場見学に行く際は人数を伝えてどのようなレイアウトでテーブルが配置されるか、広さは問題ないかを確認します。会場側が示す最大人数を超えていなくても、近い人数を想定している場合は全体的に窮屈なレイアウトになる可能性があるので注意が必要です。また、子連れのゲストに関しては別の控室を用意する、妊娠中のゲストには優先的に控室で座ってもらう、披露宴中には座りやすいようクッションを置くような配慮を行うと喜ばれるでしょう。
配慮に欠ける演出を行う
ゲストに負担がかかり、思いやりに欠ける演出は避けましょう。悪い意味で忘れることのない結婚式になってしまいます。例えば名指しでのブーケトスは独身のゲストを見下す印象が強いので避けましょう。また、いくら話が得意で親しい友人とはいえ打ち合わせなしにスピーチをお願いすることも、緊張感の中負担を強いることになります。寒空の中屋外での写真撮影も、全員に苦痛な印象を与えます。このようにゲストへの配慮が足りない演出は行わないようにしましょう。
改善策は、ゲストの目線に立ってみて「自分がゲストであったら喜ばない」演出はしないことです。スピーチをお願いしたいゲストには、たとえ一言であっても事前に伝えておく配慮を行いましょう。
まとめ
今回は結婚式の失敗5つと改善策をまとめました。ウエディングドレスやヘアメイクにこだわりたい気持ち、取り入れたい理想の演出があることはもちろん分かります。しかし、結婚式はゲストありきで存在することを忘れてはいけません。
「この演出は喜んでくれるか」「満足するクオリティの料理を提供できているか」など、あらゆる場面を想定しゲストに配慮が出来ているか、今いちど振り返ってみてください。貴重な時間を割いてくれるゲストへの「おもてなしの気持ち」を大切にして一生に一度の式を作り上げていきましょう
「結婚式大好き!」「披露宴最高!」そんな風に思っている現役のプランナー・司会者であり、フリーのライター。時代とともにウェディング業界も変化を遂げていますが、いつの時代も結婚式はキラキラしていて素敵です!結婚式の楽しさや、魅力、また業界人だからこそ書ける記事をご提供いたします。長年結婚式に携わってきた豊富な経験をもとに、新しいお幸せの一歩を踏み出すお2人の参考になさってください。